朝顔の歴史は古く、奈良時代または平安時代に中国から日本に渡来したようです。渡来した当時は薬草として用いられていました。朝顔が園芸植物として一般的に愛好されるようになったのは江戸時代のことだとか。
現在に至るまでに品種改良が重ねられて来た朝顔。そのため花の色も、赤、白、ピンク、青、紫など様々です。玄関先や庭に置かれた涼しげな朝顔は、夏の風物詩ですね。
小学生の頃、夏休みの宿題だった朝顔の観察日記、毎日記録したあの体験は大人になった今でも忘れられません。
まずは種まきから。
「黒く小さな固い種から芽が出るだろうか。
出たらどんな朝顔の花が咲くだろうか。
どんな虫たちがこの朝顔のところに集まってくるのだろうか」
といろんなことを想像して、心を躍らせたものでした。
「まだか、まだか」と待ちながら、土の中から「ニョキッ」と芽が出たときの喜びは、何とも言えないもの。
すこぶる成長が速く、毎朝きっちりと水を遣り、日光が十分に当たる環境を確保すれば、必ず芽は育ってくれます。
少し大きくなったら摘心をします。
頂芽を摘みとると、本葉の付け根にある脇芽が大きく育って大きな株になり、たくさんの花が咲くようになるからです。
朝顔に つるべとられて もらひ水(加賀千代女)
朝顔の蔓は、先端が振動しながら右から左に巻きつく習性があり、支柱をしっかり掴まえて天に向かって高く伸び、花を咲かせます。
大人になって知りましたが、朝顔は、支柱やぶつかる物も与えず、真っ平らな場所に放置すると枯れてしまうのだそうです。
水や栄養が十分にあっても、支えがなければ生長が止まり、枯れてしまうのです。
順調に育った朝顔は長い期間、毎朝愛らしい花を咲かせてくれます。
花は涼やかな色合いが魅力でありますが、種から育てただけに思い入れも加わり、昼前には萎んでしまう花たちには哀愁すら感じます。
僅かな限られた時間の中で、懸命に咲き誇る朝顔に心を打たれます。
生命の不思議に感動し、朝顔が咲くのが楽しみだったあの頃、ただ、あさがおっくうだったなぁ・・・。
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